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武井 早憲
Isotope News, (779), p.11 - 15, 2022/02
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV,出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるJ-PARCのRFQテストスタンドのリニアックにおいて高出力レーザーを用いた荷電変換に基づくビーム取出し試験を実施した。本論文は試験結果の概要をまとめたものである。
武井 早憲; 堤 和昌*; 明午 伸一郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.588 - 603, 2021/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV,出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるJ-PARCのRFQテストスタンドのリニアックにおいて高輝度連続波レーザーを用いた荷電変換に基づくビーム取出し試験を実施した。その結果、取り出し効率がで出力0.57mWの長パルスビームを取り出すことに成功し、これらの実験値は理論的な予測値と良く一致した。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 金正 倫計
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011026_1 - 011026_6, 2021/03
炭素膜を用いた荷電変換入射は、世界中で大強度陽子加速器で採用されている。それは、パルス型陽子ビームを大強度で生成する画期的な方法ではあるが、大強度がゆえに大きな課題がある。一つ目の課題は、陽子ビームの通過時もしくは衝突時に生じる膜の変形や破壊による短寿命である。もう一つの課題は、膜で散乱された粒子のビーム損失よる高放射化である。それゆえに、炭素膜に代わる非衝突型の荷電変換入射がさらなる大強度化に必要となる。そこで、本研究ではレーザーのみを使用した荷電変換入射手法を新たに考案した。その新たな手法は、「レーザー荷電変換入射」と呼ばれる。この手法を確立するために、J-PARCでは原理実証実験を計画している。本発表では、J-PARCにおけるレーザー荷電変換入射の実現に向けたレーザーシステム開発の現状を報告する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.441 - 445, 2020/09
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すため、膜の短寿命化や膜での散乱によるビーム損失が大強度ゆえに課題となっている。そのため、さらなる大強度出力を目指すには、炭素膜を用いた衝突型の荷電変換入射に代わる非衝突型の新たな入射手法が必要となる。本研究では、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに提案し、J-PARCにおける原理実証実験を計画しており、その実験に向けたレーザーシステム開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。
武井 早憲; 平野 耕一郎; 明午 伸一郎; 堤 和昌*
Proceedings of 8th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2019) (Internet), p.595 - 599, 2020/06
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV、出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるJ-PARCのRFQテストスタンドのリニアックにおいて連続波のレーザーを用いた荷電変換に基づくビーム取出し試験を実施したところ、TEF-Pにおいて0.70W相当となる出力の長パルスビームを取り出すことに成功した。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 井上 峻介*; 佐藤 篤*; 菅沼 和明; 山根 功*; 金正 倫計; 入江 吉郎*
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.811 - 815, 2018/08
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すことで、ビーム自身が散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。加えて、大強度出力ではビームの衝突時の熱や衝撃による膜の破壊が生じる。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命による制限が懸念される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案した。その原理実証実験に向けて、レーザーシステムの開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。
明午 伸一郎; 岩元 大樹; 松田 洋樹; 武井 早憲
Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012072_1 - 012072_4, 2018/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.11(Nuclear Science & Technology)J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)では、加速器駆動システム(ADS)のためのターゲット開発を行うためにADSターゲット試験施設(TEF-T)及び未臨界炉心の物理的特性等を探索するための核変換物理実験施設(TEF-P)の建設を計画している。本セクションでは、TEF-Tの核設計評価、陽子ビーム輸送系及び付帯設備の検討を進めており、これらの現状については報告を行う。また、本セクションではTEF-Pへ10W以下となる微弱なビームを安定に供給するために、TEF-Tに入射する大強度の負水素ビームにレーザーを照射しレーザー荷電変換によるビーム取り出し法の技術開発を行っており、この現状について報告する。更に、施設の更なる安全のために、J-PARC加速器施設を用いて核反応断面積測定や弾き出し損傷(DPA)断面積の測定を行う予定としており、これらの現状についても報告する。
武井 早憲; 平野 耕一郎; 堤 和昌; 明午 伸一郎
Plasma and Fusion Research (Internet), 13(Sp.1), p.2406012_1 - 2406012_6, 2018/03
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV、出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるリニアックにおいてレーザー荷電変換試験を実施したところ、出力約8W相当のビームを約2%の出力安定性で取り出すことに成功した。
武井 早憲; 平野 耕一郎; 明午 伸一郎; 堤 和昌*
Proceedings of 6th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2017) (Internet), p.435 - 439, 2018/03
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV、出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるリニアックにおいてレーザー荷電変換試験を実施したところ、出力約8W相当のビームを約2%の出力安定性で取り出すことに成功した。
原田 寛之; 山根 功*; Saha, P. K.; 菅沼 和明; 金正 倫計; 入江 吉郎*; 加藤 新一
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.684 - 688, 2017/12
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり円形加速器に入射し大強度陽子ビームを形成している。この手法は大強度ビームを形成できる反面、周回する陽子ビームが膜へ繰返し衝突し散乱され、ビーム損失が生じ残留線量となる。また、衝突時の熱付与や衝撃による膜の変形が生じている。これらは、大強度陽子ビームの出力や運転効率を制限する可能性がある。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜に代わる新たな荷電変換入射が必要となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案し研究開発を進めている。この新たな入射方式の実現には、現存より2桁高い平均出力のレーザーが必要となるため、レーザーを再利用する形で連続的にビームへの照射を可能とする「高出力レーザー蓄積リング」の開発を目指している。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発を行う高出力レーザー蓄積リングを説明する。加えて、現在の開発状況を報告する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 山根 功*; 加藤 新一; 金正 倫計; 入江 吉郎*
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.983 - 986, 2016/11
大強度陽子加速器では、負水素イオンを炭素膜にて陽子へと変換しながら入射する荷電変換入射を適用している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、ビーム自身が膜で散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。また、衝突による膜の破損が生じる可能性がある。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命によっても制限される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必須となる。J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案し研究開発を進めている。この入射手法を実現するには、既存のレーザーの2桁以上の出力が必要となる。この大きな課題を克服すべく、レーザーを再利用する形で連続的にビームへの照射を可能とする「高出力レーザー蓄積リング」の開発を目指している。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発を行う高出力レーザー蓄積リングを説明する。
明午 伸一郎; 長谷川 和男; 池田 裕二郎; 大井川 宏之; 青木 延忠*; 中川 敏*
JAERI-Tech 2002-095, 40 Pages, 2002/12
大強度陽子加速器計画において、核変換物理実験施設では未臨界状態の実験装置にLINACで加速された0.6GeV陽子ビームを導入し、高速中性子増倍体系と核破砕中性子源を組み合わせた実験を行う。核変換物理実験施設は最大熱出力を500W以下とするため、10W以下の小電流の陽子ビームを用いる。一方、核変換工学実験施設では200kWの大電流を入射するため、大電流運転と低電流運転の両立が必要となり、技術的に困難が伴う。通常用いられる薄いフォイルによるビーム取出し方法では、フォイルによるビーム散乱があるために、厚い遮蔽が必要となり好ましくない。そこでレーザーを用いて小電流のビームを取出す方法について検討を行った。本手法では、LINACから出射するHビームにYAGレーザーを照射しHビームに荷電変換し、小電流のHビームを得る。Hイオンの光子による荷電変換反応断面積は波長が1m付近にピークを持つために、発振波長1.06mのYAGレーザーが適している。これにより、繰り返し周波数25Hz,パルス当り2Jの出力を持つレーザーで600MeV陽子の10Wの取出しが可能であることを示した。本検討により核変換物理実験用の10Wビーム取出し技術の見通しを得た。
大井川 宏之; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 辻本 和文; 西原 健司; 佐々 敏信; 今野 力; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎
JAERI-Tech 2002-037, 220 Pages, 2002/03
原研-KEK大強度陽子加速器計画の一環として、加速器駆動未臨界システム(ADS)を用いた核変換技術の炉物理に関する研究開発を目的とした「核変換物理実験施設」の概念を検討した。施設は臨界実験施設として建設するが、未臨界状態で10Wまでの陽子ビームを入射できる構造とした。臨界集合体の仕様,陽子ビームを導入するためのレーザー荷電変換装置,施設の安全性,マイナーアクチニドを用いた実験等の項目について検討を行った。
武井 早憲; 平野 耕一郎; 堤 和昌; 明午 伸一郎
no journal, ,
J-PARCで整備を目指している核変換物理実験施設(TEF-P)では、リニアックからの大強度負水素イオンビーム(エネルギー400MeV、出力250kW)から小出力の陽子ビーム(最大出力10W)を安定に取り出す必要がある。原子力機構では、レーザーを用いた荷電変換によるビーム取り出し法を提案し、開発を行っている。今回、3MeVの負水素イオンが加速できるリニアックにおいてレーザー荷電変換試験を実施したところ、約8W相当の安定したビームを長時間取り出すことに成功した。
原田 寛之; Saha, P. K.; 井上 峻介*
no journal, ,
大強度陽子加速器では、負水素イオンを炭素膜にて陽子へと変換しながら入射する荷電変換入射を適用している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、ビーム自身が膜で散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。また、衝突による膜の破損が生じる可能性がある。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命によっても制限される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必須となる。本研究では、J-PARC 3GeVシンクロトロンでの設計出力を超える大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案した。本発表では、大強度陽子加速器における今後の課題を説明し、レーザー荷電変換入射手法の概要や原理実証実験に向けた開発現状を報告する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すことで、ビーム自身が散乱され制御不能なビーム損失が原理的に発生する。加えて、大強度出力ではビームの衝突時の熱や衝撃による膜の破壊が生じる。大強度陽子ビームの出力や運転効率は、このビーム損失による残留線量や膜の寿命による制限が懸念される。そのため、さらなる大強度出力には炭素膜を用いた荷電変換入射に代わる新たな入射手法が必要となる。J-PARCでは、さらなる大強度化に向けて、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに考案した。その原理実証実験に向けて、レーザーシステムの開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、炭素膜に大量のビームを通過させる衝突型の方式であり、その膜への熱付加などによる膜の短寿命化、膜で散乱された陽子が周辺機器に衝突することによる機器の高放射化が、大強度ゆえに世界的な課題となっている。そこでJ-PARCでは、さらなる大強度出力に向けて、炭素膜に代わる非衝突型の「レーザー荷電変換入射」の方式を考案し、その原理実証実験に実施すべく、開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発と実験準備の現状に加え、実験スケジュールに関しても報告する。
渕 葵*; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 原田 寛之; Saha, P. K.; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器J-PARCでは、リニアックからシンクロトロンに負水素イオンを入射する際に陽子へと荷電変換をしている。現在は炭素膜を用いた手法が用いられているが、さらなる大強度化に向け、レーザーを用いた荷電変換を行うことを目指し、レーザー光源及び原理実証実験を進めている。この方式では、ドップラー効果と多段階の電子電離プロセスを考えており、高出力レーザー開発が比較的容易な波長のレーザーとその5倍波のパルスレーザーを利用することを想定している。さらに、パルスあたりのエネルギーを下げるには、光の有効利用率を高めなければならない。そのため、折り返し像転送光学系やビームシェーパーの開発を進めている。本発表では、現在開発中の高繰り返しレーザー光源や像転送光学系について報告する。
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、炭素膜に大量のビームを通過させる衝突型の方式であり、その膜への熱付加などによる膜の短寿命化、膜で散乱された陽子が周辺機器に衝突することによる機器の高放射化が、大強度ゆえに世界的な課題となっている。そこでJ-PARCでは、さらなる大強度出力に向けて、炭素膜に代わる非衝突型の「レーザー荷電変換入射」の方式を考案し、その原理実証実験に実施すべく、開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、開発と実験準備の現状に加え、実験結果に関しても初めて報告する。
渕 葵*; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 原田 寛之; Saha, P. K.; 柴田 崇統*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンビームを陽子へと荷電変換しながら入射することで大強度ビームを生成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、炭素膜に大量のビームを通過させる衝突型の方式であり、その膜への熱付加などによる膜の短寿命化、膜で散乱された陽子が周辺機器に衝突することによる機器の高放射化が、大強度ゆえに世界的な課題となっている。そこでJ-PARCでは、さらなる大強度出力に向けて、炭素膜に代わる非衝突型の「レーザー荷電変換入射」の方式を考案し、その原理実証実験に実施すべく、開発を進めている。本研究では、レーザー開発,像転送共振器の開発を行い、J-PARCにおいてレーザー荷電変換実験を開始した。その実験の結果、0.57%の荷電変換を確認でき、目標99%に向けた大きな一歩となった。本発表では、開発したレーザーシステムや光学系を説明し、レーザー荷電変換実験の最初の結果を報告する。